生成AI「Claude(クロード)」シリーズを展開する米AIスタートアップのAnthropic(アンソロピック)は1日(現地時間)、米証券取引委員会(SEC)に対し、新規株式公開(IPO)に向けた登録声明書のドラフトを非公開で提出したと複数メディアが発表しました。
同社は先週、アルティメーター・キャピタルやセコイア・キャピタルなどから650億ドルの資金調達(シリーズH)を実施したばかりです。この直近の調達による評価額は9,650億ドル(約150兆円)に達しており、今回の上場申請によって市場での評価額は1兆ドル(約160兆円)の大台を突破する見込みとなっています。
企業向けAI市場での急成長が背景に
Anthropicは、元OpenAIの研究者らが2021年に設立した、AI safety(AIの安全性・信頼性)を掲げる研究開発企業です。
同社がここまで急激に評価額を伸ばした背景には、ビジネス現場における「Claude」の圧倒的なシェア拡大があります。直近では、高度なコーディング支援ツール「Claude Code」や、自律型AIエージェント「Claude Cowork」を相次いで投入しました。これらが企業のDXを強力に推進する実用的なソリューションとして法人需要が爆発しており、同社の年換算売上高(Run Rate)は2026年5月時点で470億ドル(約7.3兆円)を突破しています。これにより、今年6月期には初の営業黒字化を達成する見通しです。
メガテック「三つ巴」の上場レース、AIの社会実装は新フェーズへ
株式市場では今、歴史的な超大型IPOのロードマップに注目が集まっています。 今月12日にはイーロン・マスク氏率いるSpaceX(スペースX)の上場(目標評価額1.75兆ドル)が控えているほか、ライバルであるOpenAIも上場申請が秒読み段階とされています。今回のAnthropicの申請は、激化するAI開発の資金調達レースにおいて、ライバルに先んじてパブリック市場(公募市場)の資金を確保する狙いがあるとみられます。
これまで米Amazonや米Google、さらには半導体大手のサムスンやSKハイニックスなどからも巨額のインフラ投資・資金調達を取り付けてきた同社ですが、上場によりさらなる計算資源(コンピューティングパワー)の確保と、次世代モデルの開発を加速させます。
非公開での申請であるため、具体的な上場時期や売出価格は現時点で未定ですが、早ければ数ヶ月以内にもウォール街へのデビューを果たす可能性があります。エンタープライズAIの覇権を握りつつあるAnthropicの上場は、国内外のDX投資のあり方にも大きな地殻変動を起こしそうです。
レポート/DXマガジン編集部





















