人類が別の天体に拠点を築くSFのような未来が現実になります。NASAが発表した、総額2億ドルを超える巨額の月面探査車契約。過酷な月面南極で、無人の移動システムが月面インフラ整備を支え、ドローンが着陸候補地を自律的に調査する驚きの宇宙DX。地球の常識を覆す、その壮大な国家宇宙政策の舞台裏に迫ります。
民間企業の自律走行テクノロジーを融合する月面基地計画
アメリカのナサ(NASA)はワシントン本部で記者会見を行い、持続可能な月面探査インフラ計画「ムーンベース」の新たな契約と今後の目標を発表しました。ジャレッド・アイザックマン長官の主導のもと、まずは今年から3つの初期ミッションが本格的に始動します。2026年秋以降に打ち上げ予定の「月面基地I」では、ブルーオリジン社の着陸船を用いてシャクルトン連結尾根へナサの機器を運びます。続く「ムーンベースII」では、アストロボティック社の着陸船に1100ポンド以上の貨物を積み、将来の移動システムを成熟させます。さらに「ムーンベースIII」では、インテュイティブ・マシーンズ社の着陸船に調査機器を搭載し、欧州宇宙機関や韓国の研究機関も交えて極限状態における物質の挙動を調査します。
月面での永続的な拠点を築くため、ロボット技術や移動システムの自律化という宇宙インフラのデジタル変革に巨額の資金が投じられます。ナサは月面移動車両の第1段階の製造に向けて、アストロラボ社に2億1900万ドル、ルナ・アウトポスト社に2億2000万ドルを授与しました。アストロラボ社が開発する有人探査車は重量約900kgで、時速6マイル以上での走行が可能です。一方、ルナ・アウトポスト社の探査車「ペガサス」は、最長1年間の長期運用に対応する設計となっています。この車両は時速9マイル以上の速度を出し、手動操作だけでなく、完全な自律走行や地球からの遠隔操作が可能なシステムを備えています。これらの車両を月の南極地域へ届けるため、ブルーオリジン社とも最大2億8040万ドルのオプションを含む1億8800万ドルの輸送契約が結ばれました。
さらに、アルテミス計画の宇宙飛行士が着陸する候補地を上空から調査する「ムーンフォール」ミッションも進行しています。ナサのジェット推進研究所がプロトタイプの設計を進めており、ファイアフライ・エアロスペース社が宇宙船の製造を担い、2028年の打ち上げを目指します。4機のドローンが独立して月面に着陸し、到達困難な地形の高解像度画像を収集する計画です。また、民間企業の柔軟な参入を促す次世代貨物着陸機「CLPS 2.0」の最終提案依頼書が5月15日に公開されました。こちらは6月30日を回答期限として、自律的な月面運用のための新たなパートナー企業を募集しています。
見解として、過酷な月面環境において、有人・無人の自律走行モビリティやドローンを駆使してインフラを構築する試みは、究極の極限環境DXと言えます。 民間企業の自動化テクノロジーや配送サービスを柔軟に組み込むエコシステムは、地球上のスマートシティ構想をも進化させる可能性を秘めています。
詳しくは「NASA」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部
https://www.nasa.gov/news-release/nasa-provides-update-on-moon-base-rovers-landers-missions/






















