MENU

ニュース

AIがサイバー犯罪の“秘密基地”を見破った!マイクロソフトが国際警察と仕掛けた「世界マルウェア一斉摘発」の全貌

  • URLをコピーしました!

マイクロソフトは、個々の攻撃を追う対症療法ではなく、サイバー攻撃のサプライチェーン全体を同時に断ち切る取り組みを進めています。AIを活用した分析により、広く流通するマルウェアのAmadeyとStealCが同一インフラに依存している事実を特定し、民事上の法的措置と連携して同時に標的化しました。この作戦はEuropolや業界各社と連携して実施され、攻撃の連鎖を分断することを狙いとしています。開始後、マイクロソフトは1万8000台超の被害端末を特定し、通信事業者と連携して犯罪者の制御を遮断しました。5月前半の2週間だけで、両マルウェアは世界で14万台超の感染端末と関連付けられており、対策の優先度が高いことが示されています。AIと法務を組み合わせた新手法は、拡大と再構築を難しくし、被害の広がりを抑える効果が期待されます。

AIによるマルウェア解析の高速化とRICO法の適用拡大

今回の取り組みでは、マルウェア解析にCopilotを含むAIを用い、複雑なコードの手作業精査に代えて、自然言語での質問を通じて動作や隠れたデータを迅速に把握しました。これにより、従来は数時間から数日を要した検証が数分に短縮され、2つのマルウェア間のつながりを短時間で検証できました。得られた知見をもとに、法務チームはAmadeyとStealCを一連の共謀の枠組みで位置付け、米国のRICO法を活用して作戦全体に関与する複数の共犯者を訴追しています。マイクロソフトのデジタル犯罪対策ユニットは、感染端末の遠隔制御やデータ窃取に使われていた200超のコマンドアンドコントロールサーバーの機能を阻害しました。ツールを別々に追うのではなく、共有インフラを押さえることで、攻撃の中核を同時に弱体化させています。AI分析と法的措置の組み合わせは、継続的な妨害を行うための実行速度と到達範囲の双方を押し上げています。

モジュール化するサイバー犯罪の連鎖を分断する共同作戦

サイバー犯罪は工程ごとに専用ツールが連携し、初期侵入、認証情報の窃取、アクセスの転売や悪用が段階的に進みます。Amadeyは侵入の足がかりを作り、StealCは資格情報や機密情報を盗む役割を担い、両者が結び付くことで連鎖の重要な接合点になります。実社会では、病院のシステム停止、都市サービスの中断、中小企業のアカウント喪失、個人資産の消失といった形で影響が表面化します。マイクロソフトは、ロシアに関連する攻撃グループSecret BlizzardがAmadey感染を利用してウクライナの標的にカスタムマルウェアを展開した事例を確認しています。連鎖の複数箇所を同時に標的化することで、単発の侵害が広範な被害へ発展する確率を下げ、成功する攻撃の総量と影響範囲を減少させます。作戦は、攻撃の設計そのものを崩すことに主眼を置いています。

Europolと産業界の連携で可視性と対処速度を拡大

単独の組織が国境や産業を越えて活動する脅威を完全に把握することは困難であり、今回の成果は多層的な連携に支えられています。マイクロソフトは、ESET、BitSight、Lumen、三井物産セキュアディレクションと協力し、Amadeyの挙動理解を深めました。並行して、Europolの欧州サイバー犯罪センターは、ドイツ連邦刑事庁、オランダとデンマークの国家警察、IBM X-Force、ProofpointとともにOperation Endgameの一環としてStealCを捜査しました。これらの取り組みを統合することでデータセットが拡充され、両ツールのつながりを特定して迅速な妨害が可能になりました。共通の全体像に基づく情報共有により、個別組織では届かない領域に踏み込む連携対応が実現しています。技術的知見と法執行の可視性を結び付ける信頼の基盤が、持続的な対抗策の鍵になっています。

継続的妨害と自動化プログラムで攻撃者のコストを引き上げる

本件の妨害措置は単発ではなく、攻撃者の適応と再構築を追跡し続ける継続的な活動と結び付けられています。裁判所の許可を得た措置を土台に、新たなインフラの特定や、攻撃者が依存するサービスの妨害をパートナーと協働で進めています。得られた知見は、悪意あるドメインやインフラの除去を加速するStatutory Automated Disruptionプログラムにも取り入れられています。目的は、単一活動の停止にとどまらず、攻撃の着手、拡大、立て直しを困難にし続けることにあります。マイクロソフトのデジタル犯罪対策ユニットは、2008年以降およそ40件の訴訟を提起し、10年以上にわたり法執行機関と連携してサイバー犯罪や国家関与の脅威の妨害に取り組んできました。AI、法的戦略、パートナーシップを重ねることで、サイバー犯罪者のコストを継続的に押し上げ、その影響低減を図っています。

詳しくは「マイクロソフト」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 公式LINEメンバー

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる