株式会社SkyDriveは、Bangkok Airways Public Company Limited、Saha Pathana Inter-Holding Public Company Limited、サハ東急コーポレーションの3社と、タイ国内での空飛ぶクルマの社会実装と事業化に向けた包括的な業務提携を締結しました。提携により、シラチャ、バンコク、サムイ島での航路検証や、販売・整備拠点の設置を含むビジネスロードマップを策定しています。今後は4社が連携し、実現に向けた具体検討を段階的に進める計画です。SkyDriveはコンパクトな空飛ぶクルマの開発、製造、販売を手がけ、タイでの社会実装に向けた枠組みを強化しました。各社の強みを組み合わせ、運航や観光、都市開発など多面的な検証に取り組む姿勢が示されています。
参画各社の背景と提携の意義
SkyDriveは2024年にサハ・パタナ・インター・ホールディングおよびサハ東急と事業検討の覚書を締結し、タイにおけるユースケースや事業展開の可能性を検討してきました。今回、タイの主要航空会社であるバンコク・エアウェイズが加わることで、商用化に向けた実効性の高い検証フェーズへと進んだとしています。バンコク・エアウェイズは「アジアのブティックエアライン」をスローガンに、国内外の路線網を展開し、サムイ島での空港やホテルの保有・運営など観光開発の実績を持ちます。航空運航のノウハウと観光開発の経験を生かし、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の活用領域を広げる狙いが示されています。サハグループと東急グループの連携による「まちづくり×空飛ぶクルマ」の社会実装モデルは、タイでの成果を起点に他地域への展開も視野に入れて検討されます。
タイ市場での事業化支援体制と段階的な取り組み
4社は、商用化や機体販売を見据え、既存インフラや現地パートナーとの連携を前提とした事業化支援体制の検討を進めます。まずは購入検討者に向けた機体展示や体験の機会提供に着手する構えで、機体数や運航頻度の増加に応じて、販売、保管、整備、訓練などのサポート体制を最適化します。市場の成熟度や需要に応じて、より広範な事業機能の現地化も視野に入れています。こうした段階的アプローチにより、導入初期から運用拡大期までの変化に対応しやすい体制づくりを想定しています。既存の観光資産や都市開発プロジェクトと連携することで、導入効果の検証も行いやすくなる見込みです。現地の法規制や運用要件の精査も、4社の協力体制のもとで進められる計画です。
シラチャ・バンコク・サムイ島での航路検証とユースケース
提携に基づき、タイ国内の具体的な航路の検証と選定が始まります。シラチャエリアでは、サハ東急が展開する日本人駐在員ファミリー向けの居住・生活エリア「J-Park/HarmoniQ」を起点に、シーチャン島、ラン島、パタヤなど周辺の離島や主要観光地と結ぶルートを検証します。バンコクエリアでは、中長期的にバンコク中心部や「Kings Square Residence」、スワンナプーム国際空港を結ぶエアタクシーの導入を視野に入れ、慢性的な渋滞回避と価値向上を目指します。サムイ島では、自然景観を生かした遊覧飛行の事業化に加え、空港とリゾート間の移動インフラの検証を進めます。観光需要の開拓と日常の移動利便性の両面で、空飛ぶクルマの実装効果を測る計画です。各エリアの特徴を踏まえ、移動時間の短縮や快適性の向上を軸に検証が進む見通しです。
各社代表のコメントと今後の推進体制
バンコク・エアウェイズのプティポン プラサトーン オーソット社長兼CEOは、本提携をタイ航空業界の節目と位置づけ、既存の路線網や空港インフラを補完する可能性に言及しました。運航、規制、商用の枠組みを精査し、持続可能なエアモビリティの次章を築く意思を表明しています。サハ・パタナ・インター・ホールディングのVichai Kulsomphob氏は、環境負荷の低減と交通の変革に資する重要な進展と強調し、長期的な経済・社会発展への寄与に期待を示しました。サハ東急の西本雅彦社長は、シラチャでの住環境創造の経験を生かし、空飛ぶクルマ活用の検討と先端企業の進出支援、そして不動産サービスを含む地域活性化に尽力すると述べています。SkyDriveの福澤知浩CEOは、4社の連携でユースケース検討を加速し、商用運航実現に向け取り組みを推進するとしました。
空飛ぶクルマとSkyDriveの取り組みの位置づけ
空飛ぶクルマは、電動化や自動化、垂直離着陸などの技術により実現する次世代の空の移動手段で、海外ではAAMやUAMと呼ばれています。SkyDriveは、愛知県豊田市を主拠点とする企業として、コンパクトな機体「SKYDRIVE」を開発し、製造、販売を展開しています。官民協議会での制度設計にも関与し、公開有人飛行試験の成功や万博でのデモフライトなどの実績を重ねてきました。今回の提携は、タイにおける社会実装とビジネス化を推進するうえで、航空、消費財グループ、不動産・都市開発のプレイヤーを束ねる枠組みです。機体展示や体験の場づくりから、販売、整備、訓練の体制構築へと進める計画が示され、持続可能なエアモビリティの実現に向けた段階的なロードマップが明らかになりました。観光と日常移動の双方で、渋滞回避や体験価値の向上を評価軸に検証が進行します。
詳しくは「株式会社SkyDrive」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















