株式会社リンクとかっこ株式会社は、クレジットカード情報流出とEC不正利用の動向をまとめたキャッシュレスセキュリティレポート2026年次版を公開しました。2025年のカード情報流出事件は21件で前年比約43%減、流出件数は246474件で約54%減となり、2020年以降で最も低い水準です。スーパーマーケット運営会社へのランサムウェア攻撃では、自社発行のポイントカード一体型クレジットカード約12万7千件の不正閲覧可能性が公表され、流出元は会員やポイント管理システムでした。PCI DSS準拠の観点では、決済システム以外に残るカード情報の洗い出しと点検が必要とされています。不正利用被害額は510.5億円で前年の555.0億円から10年ぶりに減少した一方、500億円超で高止まりです。EMV 3-Dセキュア導入義務化の効果が見られるものの、未導入加盟店への攻撃集中やフィッシングによるワンタイムパスワードのリアルタイム詐取が指摘されています。
不正の傾向では、1万円以下の不正注文比率が2023年の19.3%から2025年は29.8%へ上昇しました。背景としてカード有効性確認や初回限定割引を狙った悪質転売が挙げられます。EMV 3-Dセキュア導入後にカゴ落ちやカード会社判断の決済否認が増え、売上機会の損失が課題となりました。不正検知システムの活用により、不正抑止と決済承認率向上を両立した事例が紹介されています。その他の脅威では、2025年12月以降にニセ社長詐欺が急増し、メールからSNSグループに誘導して緊急送金を求める手口が確認されています。制度面ではSCS評価制度の申請受付開始が2026年度末に予定され、生成AIの進化がフィッシングの量産化と精密化、防御側の脆弱性発見力向上、エージェンティックコマースの台頭などセキュリティの前提に影響を与える論点が示されています。
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