店舗集客や販促を目的としたOMO(オンラインとオフラインの融合)アプリの導入やデジタル化が進む中、ユーザーが求める体験価値(UX)の基準は年々シビアになっています。株式会社アイリッジは2026年5月20日、15歳〜69歳の男女257名を対象に実施した「アプリ会員証に関する調査」(調査期間:2026年3月24日〜31日)の結果を発表しました。
日常利用が定着したからこそ直面している「レジ前での新たなトラブル」や、タイパを重視する現代の生活者にアンインストールされないための不可欠な要素を、データ駆動型マーケティングの視点から紐解きます。
2023年から連続増加。会員証は「アプリなら作る」層が3人に1人以上へ
企業のDX推進やペーパーレス化を背景に、店舗の会員証をデジタル化(アプリ移行)する動きは、生活者の間でも完全に市民権を得ています。
- アプリ会員証の価値向上:形態ごとの会員証の作成意向においては、約8割の生活者が「どちらでも構わない」または「アプリであれば作成したい」と回答。なかでも「形態がアプリなら作成したい」層は2023年の調査開始以降、連続して増加しています。
- デジタル一択へのシフト:一方で「形態はどちらでも構わない」とする層は前年比で約3ポイント減少(アプリ限定の作成意向は2ポイント増加)しており、生活者の中でアプリ会員証がもたらす顧客体験価値が確実に高まっている様子が数値から鮮明になっています。
操作不満が約半数。タイパを重視するユーザーに「即断捨離」される基準
せっかくインストールされたアプリも、ユーザーの期待するパフォーマンスに届かなければシビアに選別・削除(断捨離)されてしまいます。
- 削除される主な要因:あまり使わない会員証アプリをアンインストールする基準として、最も多かったのは「その店舗へ行かなくなったから(利用頻度要因:57%)」、次いで「ポイントの有効期限が切れた、または貯まらなくなったから(ポイント要因:35%)」でした。
- 侮れないシステム動作の不満:注目すべきは、「アプリの起動が遅い・動作が不安定」「ログインや会員証の表示に手間がかかる」「使いづらい」といった、アプリ動作要因群が合計で49%と約半数にのぼっている点です。タイムパフォーマンス(タイパ)を極めて重視する現代のユーザーにとって、挙動のストレスは即座に離脱を招くトリガーとなっています。
バーコード一元化の裏で急増した、新たなUXストレス「レジ前決済エラー」の明暗
生活者の8割強がアプリ会員証に何らかの困りごとや改善要望を感じており、その評価基準は対前年でも微増(シビアに)しています。その不満の内訳から、企業のDX投資の成果と新たなボトルネックが見えてきました。
- 解消されつつある「二重スキャン」:ポイント付与と決済で「複数回のスキャンを求められる」という不満(24%→19%)は前年比で減少しています。これは、大手企業を中心にPOS連携(バーコード統一)などのシステム改善が進んだ成果と言えます。
- 日常化によって急増した新たなトラブル:一方で、前年比で最も急増した不満が「決済、ポイント付与、クーポン処理等でエラーになることがある(19%→27%)」でした。これに加えて「電波が悪くてアプリが起動できない(29%)」や「利用時に頻繁なログインが求められる(23%)」という課題も上位に挙がっています。日常的な利用人口が激増した結果、レジ前でのシステム高負荷や通信環境による決済エラーが、新たなUXストレスとして顕在化していると推察されます。
見解として、 アプリを「リリースして終わり」の時代は完全に過去のものとなりました。POS連携によるバーコード一元化(複数回スキャンの解消)などの企業努力が実を結ぶ一方で、利用人口の急増に伴う「レジ前での決済・処理エラー(27%)」が新たなボトルネックとして急増している点は非常に示唆に富んでいます。レジ前での少しの通信エラーやログインの手間が、LTV(顧客生涯価値)を毀損して顧客を離脱させるリスクとなるため、アイリッジの「APPBOX」のような拡張性と他社連携に優れたプラットフォームを活用し、ベンダーフリーで内製化やUI/UXの高速PDCA改善を継続できる体制を整えることこそが、これからのリテールOMOの絶対条件です。
詳しくは「株式会社アイリッジ」の公式ページをご確認ください。 レポート/DXマガジン編集部





















