Microsoftは9月2日、AIエージェント開発基盤「Copilot Studio」の最新アップデートを発表しました。今回注目したいのが、一般提供を開始した「Windows 365 for Agents MCP server」です。この仕組みを使うと、AIエージェントがWindows 365のクラウドPCを操作し、デスクトップアプリやブラウザ、ユーザーインターフェースを使った作業を実行できるようになります。AIに質問して答えをもらうだけではなく、AI自身がパソコンを操作して仕事を進める仕組みが、企業向けに本格展開され始めています。
マウスやキーボードの操作まで可能
Microsoftの公式ドキュメントによると、Windows 365 for Agents MCP serverでは、マウスやキーボードを使ったデスクトップ操作、スクリーンショットの取得、コマンド実行などが可能です。さらにMicrosoft Edgeを利用したブラウザ操作や、Windows UI Automationを使った画面上のUIの確認にも対応します。つまり、APIでシステム同士を直接接続できない場合でも、人がパソコンを使うようにアプリを開き、画面を移動し、入力するといった操作をAIエージェントに担わせることができます。
「APIがない古いシステム」も操作対象に
企業で特に影響が大きそうなのが、APIを備えていないシステムです。MicrosoftはWindows 365 for Agentsについて、APIが存在しない場合でも、アプリやポータル、レガシーシステムをAIエージェントが直接操作して仕事を行える環境だと説明しています。企業では、Webシステムから情報を確認して別の業務システムへ入力するなど、人が画面を行き来しながら行っている仕事が少なくありません。こうした「人が画面を見て、クリックして、入力する」作業の一部が、AIエージェントの対象になっていく可能性があります。
AI専用の「クラウドPC」で動く
ただし、今回の発表は「AIが利用者の手元にあるWindowsパソコンを自由に操作できるようになった」という意味ではありません。AIエージェントが操作するのは、Windows 365 for Agentsで用意されるクラウドPCです。Microsoftは、AIエージェントが業務を実行するための安全な環境としてWindows 365 for Agentsを位置付けています。企業側はこうしたクラウドPCをAIエージェントに割り当て、アプリや業務システムを操作させることができます。
「クリックする仕事」はAIに任せる時代へ?
これまで生成AIの活用といえば、文章作成や要約、調査、アイデア出しなど、「頭を使う仕事」の支援が中心でした。しかしAIエージェントが実際のWindows環境を操作できるようになると、影響を受ける仕事の範囲はさらに広がります。アプリを開く。画面を確認する。ボタンを押す。情報を入力する。別のシステムへ移動する。これまで人がパソコンの前で繰り返してきた操作も、AIに任せられる可能性が出てきます。
もちろん、すべてのPC作業が自動化されるわけではありません。業務システムへのアクセス権限やセキュリティ、操作ミスへの対策、人による確認なども必要になります。それでも「AIに何を考えさせるか」だけではなく、「AIにどのパソコン操作を任せるか」が、企業のAI活用における次のテーマになりそうです。
詳しくは「Microsoft」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















