家計の味方とされるもやしの供給基盤に揺らぎが出ています。株式会社帝国データバンクの調査では、2026年に判明したもやし製造業者の倒産や休廃業・解散は少なくとも3件で、10月に事業を停止したサイキ食品を含めると4件となりました。過去5年間では計13件に達し、小規模事業者の撤退も重なっています。もやしの販売価格が長らく「安すぎる」と指摘されてきた中、価格転嫁の難しさが構造的な脆弱性となり、需要が底堅いにもかかわらず「売れているのに儲からない」状況が広がっています。地域密着型の生産が多い特性上、1社の撤退でも供給網に影響が及ぶ懸念があります。2017年には工業組合もやし生産者協会が窮状を公表し、原料豆卸の大西商事が破産するなど、問題は長期化してきました。
コスト上昇も収益を直撃しています。財務省貿易統計によると主原料の緑豆輸入単価は2026年1~8月平均で前年同期比7.2%上昇しました。包装資材や電力などのエネルギーコスト、物流費、人件費も上昇が続き、2025年度の業績が判明した全国約20社のうち約3割が最終赤字となりました。減益企業を含めると全体の65%で業績が悪化し、2021年度に75.0%だった悪化比率の改善傾向が2025年度に4年ぶりに反転しました。利益を確保している企業でも、健康志向を背景としたスプラウトや、カット野菜・ミックス野菜を併営してもやし単体の低収益を補う事例が見られます。安いもやしを前提とした販売構造からの転換が進まなければ、生産者の減少とともに安定供給の維持がより難しくなる可能性があります。
詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















