インターネットで手軽に調べられる現代、若者たちの進路選びに深刻な影が差しています。ネットの偏った情報に頼るあまり、就職後のミスマッチや早期離職が起こっているのです。その根底にあるのは、単なる活字離れではなく「本を知らない」という現実です。常識を覆す知られざる試みに迫ります。
ネット空間の死角とリアルな本屋が持つ情報価値の再発見
丸善CHIホールディングス株式会社は、文部科学省の委託事業「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」の一環として、新潟会計ビジネス専門学校と連携した取り組みを進めています。この事業は令和3年度から令和8年度まで継続されるもので、若者の早期離職や就職時のミスマッチを解消し、地域経済を活性化させることを目指しています。これまでの調査により、若者が進路を検討する際、インターネットによる偏った情報収集を行っていることがミスマッチに影響していると分かりました。その背景には深刻な本離れがあり、単に本を読まないだけでなく、有益な本の存在自体を「知らない」状態が活字離れの大きな要因となっています。そこで、書籍という信頼できる情報源から多面的に情報を集める大切さを伝えるため、キャリア教育プログラム「就労意識醸成講座」が開発されました。
このプログラムのスピンオフとして、2026年8月7日にジュンク堂書店新潟店にて、高校教員を対象とした授業「先生も、本屋で探究」が実施されます。これは、生徒の読書推進に取り組む新潟県高等学校教育研究会図書館部会との共同企画です。授業では、教員たちが生徒目線で一般書から専門書までが揃う社会科学書売場を活用したグループワークを体験します。さらに、教員自身の業務課題を解決するヒントが詰まった人文科学書売場の活用法も紹介されます。過去に専門学校生を対象に行った同様の授業では、約7割の受講生が「有益な本を知ることができて良かった」と回答しており、高い効果が実証されています。教員たちの気づきをもとに新たな授業を創り出し、将来的には他県への展開も視野に入れています。
見解として、ネット情報に依存しがちなデジタル時代だからこそ、編集を経て体系化された書籍の価値をリアルな書店で再発見する試みは、極めて本質的な情報リテラシー教育と言えます。 教員自らが書店の情報価値を体験し、それを生徒のキャリア探究へと還元していく仕組みは、地域の若手人材育成と定着を支える新たな教育DXのモデルとなるでしょう。
詳しくは「丸善CHIホールディングス株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部 戸田






















