スマートフォンの普及や複数台持ち、さらには多様な通信サービスの拡大により、私たちの生活に欠かせない「携帯電話番号」が限界を迎えています。090、080、070に続く次世代の選択肢として期待されていた「060」番号ですが、利用開始が予定されていた令和8年7月、電気通信事業者から提供開始の延期が公表されました。番号枯渇の危機と、急遽延期となった新番号インフラの舞台裏に迫ります。
スマホ社会の宿命?「070・080・090」枯渇の危機と「060」誕生の背景
総務省は、音声伝送携帯電話番号(11桁)の深刻な枯渇問題に対応するため、電気通信番号計画の変更を行いました。現在、携帯電話番号には「070」「080」「090」から始まる11桁の番号が、総務省から携帯電話事業者に対して指定されています。しかし、近年の通信需要の爆発的な増加に伴い、これらの番号が近い将来に底を突くことが確実視されています。
この構造的な課題を解決するため、総務省は情報通信行政・郵政行政審議会からの答申を踏まえ、新たに「060」から始まる11桁の番号を携帯電話事業者に指定可能とする制度改定を決定しました。既存の「070/080/090」番号は今後もそのまま継続して利用できるため、純粋な「第4の矢」として通信インフラが拡張されることになります。
2026年7月直前の想定外!通信事業者の対応遅れと令和8年度末へのロードマップ
当初の計画では、関連する電気通信事業者におけるシステムやネットワークの対応が完了した後、2026年(令和8年)7月以降から順次、一般ユーザー向けに「060」番号の提供が開始される予定でした。しかし、いよいよスタートを予定していた2026年7月8日、電気通信事業者側から「060番号の提供開始を延期する」との発表がなされました。総務省は、新たな需要が見込まれる令和8年度末までに、電気通信事業者において必要な対応がとられ、円滑な提供が順次開始されるよう促しています。
この延期公表を受け、総務省も同日付で報道資料に追記を行い、今後の見通しを明らかにしました。総務省は、新たな番号需要が一段と見込まれる「令和8年度末(2027年3月末)」までに各電気通信事業者において必要なシステム改修などの対応をとらせ、060番号を用いた各種サービスの円滑な提供が順次開始されるよう、業界に対して強力に促していく方針を示しています。
見解として、社会のデジタル化やスマートフォンの生活インフラ化に伴う「番号枯渇」は通信先進国としての宿命であり、「060」番号の追加は通信DXにおける最重要施策の一つです。 今回の開始延期はユーザーにとって足踏みとなりましたが、社会の血流である通信ネットワークの安全・確実な移行を担保するためには不可欠な調整期間と言えます。令和8年度末の安定稼働に向け、トラブルのない完璧な通信基盤の再構築が期待されます。
詳しくは「総務省」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部 戸田




















