日本オムニチャネル協会は2026年2月27日、年次カンファレンス「オムニチャネルDay」を開催しました。ここでは、株式会社イトーキの八木氏と、モデレーターの笠原氏が登壇したセッションの様子を紹介します。テーマは、データとAIで空間価値を高める「オフィス3.0」。変化の激しい時代に、オフィスをどう進化させるべきかが語られました。
イトーキは1890年創業の老舗企業です。家具や什器の製造販売に加え、現在はオフィスや学校、病院、工場、商業施設など幅広い空間の設計・構築を手がけています。八木氏は、家具開発を経て、現在はデジタルやデータ、IoT、AIを活用した事業変革を担っています。
同社は事業の進化を「オフィス1.0、2.0、3.0」で整理しています。1.0は製品の製造販売、2.0は空間全体の設計と働き方コンサルティング、3.0はさらに踏み込み、空間をつくる前の課題整理や、導入後にその空間が意図通り機能しているかをデータで可視化し、改善まで支援する考え方です。

背景にあるのは、働き方や出社率、人員構成が大きく変わる時代になったことです。八木氏は、一度つくったオフィスを10年そのまま使う時代ではなく、運用しながら現状に合わせて改善し続けることが重要だと強調しました。
具体例として紹介されたのが、会議室予約の最適化です。人数や設備条件を入力すると、アルゴリズムが最適な会議室を自動で割り当てる仕組みを導入。さらに、人気の時間帯や場所ほどポイント消費を高くする仕組みも取り入れ、無駄な先取り予約を減らしています。
また、フリーアドレス環境では、誰がどこにいるかを可視化するサービスも展開。位置情報や予約情報、アンケートなどを組み合わせて分析することで、オフィスが本当に意図通り使われているかを把握できるといいます。

右 株式会社イトーキ常務執行役員 ソリューション事業開発本部長 八木佳子氏
実際の分析では、機能性を高めたフロアよりも、居心地の良さを重視したフロアの方が人が集まり、コミュニケーションが活発になる傾向が見られました。さらに、業務に関係するスタッフと多く交流しながら働いている営業担当者の方が粗利達成率が高いという結果も出ており、空間設計が成果に影響する可能性が示されました。
八木氏は、こうした考え方はオフィスだけでなく、店舗や工場にも広げられると説明します。空間をつくって終わりではなく、データをもとに継続的に改善することが、これからの空間づくりに求められる姿だと語りました。
本記事ではセッションの一部のみを紹介しました。動画では、オフィス3.0の考え方や具体的な活用事例がより詳しく語られています。
ぜひ下記の動画で講演全体をご覧ください。






















